情報セキュリティ: 2009年3月アーカイブ

このところ仕事から遠ざかっていて、すっかり浦島太郎状態になっているのだけれど、今日、たまたまIPAのホームページを見ていたら以下のようなページを見つけた。

「10大脅威 攻撃手法の『多様化』が進む

最近の脅威の動向をわかりやすくまとめてあって、IT関係者や企業などのセキュリティ管理者にはいい資料ではないかと思う。一方で、こうした資料は一般のITユーザには、かなり不安を与えそうな気もする。攻撃する側が本気になったら、専門家でもやられてしまう可能性は低くないだろう。まして、一般ユーザが完璧に防御することなど不可能に近い。怪しげなサイトにアクセスしないとか、変なファイルを開かないなどといった一般的な注意事項を守っていたとしても、標的にされれば簡単に落とされてしまうだろう。

しかし、一方で、こうした脅威の「恐ろしさ」ばかりを、いたずらにユーザーに知らせても、ユーザを委縮させ、本来有効利用されるべきネットの環境を十分に活用できなくしてしまう恐れもある。最近は攻める側もプロ化しているから、防御側もプロが関与しなければ守れないのは当然だ。しかし、多くの組織では自己責任のもとにユーザに最終責任を持たせている。その仕事を一般のユーザに押し付けてしまうのはちょっとかわいそうである。

セキュリティ屋の仕事はユーザを脅して委縮させることではなく、ユーザに最低限の責任範囲を明示し、その範囲外の部分をどのように守るかを考えて実行することだと思っている。当然、悪意や重大な不注意、怠慢については厳しく責任を問われるが、すべきことをしていて発生した問題については、組織として考えていくことが、安心してITを使える環境をユーザに提供するためには必要だと思う。

専門家といえども、100%の安全は保障できないから、「安心して使って」とは言いにくいのだが、少なくとも専門家や組織のセキュリティに責任を持つ立場にある人は、最新の脅威を知り、それに対する防御を最終的には「自分の責任」として考えることが必要ではないかと思う。もちろん負けることはあるが、少なくとも一般のユーザに最後の守りをゆだねてしまうよりはずいぶんマシだ。

今の形は、一般的な防御手段を組織として提供するところで終わっていて、あとはユーザにゆだねてしまっているように思える。そうではなく、ユーザが最低限のことをしてくれる前提で、防御手段を講じると同時に、万一、不幸な事態が発生した時にそれをいち早く発見し、ユーザと組織を「救済」できる手段をきちんと用意しておくことが重要だと思う。そのためには、おそらくセキュリティ管理組織により多くのリソースを配分する必要があるだろう。

なかなか、言うは易しで実行は難しいのだが、まずはこういう考え方をセキュリティの責任者が持って、経営層にも理解してもらうことが重要なのではないかと思う。不景気な今だからこそ、これまでのセキュリティ投資の在り方も含めて見直していく必要があるのではないだろうか。

 

久々にセキュリティねた。

JPCERT/CCから以下の文書が出ていたので、apacheを使ってちょっと実験してみた。

http://www.jpcert.or.jp/ed/2009/ed090001.pdf

この攻撃は、すでに昨年、可能性が報告され、実際にいくつか攻撃事例もあるのだけれど、なかなか有効な対策がなかったもの。正当なWebサイトの表示の上に透明なフレームを重ね、本来のWebサイト上で行われるマウスクリックのイベントを横取りして、別のサイトに対して不正な操作を加えさせるというものだ。この攻撃を行うには、XSSのように不正サイトを一度踏ませるか、サイト改ざんが必要と思われるが、実際に攻撃に使われた事例もわずかながらあり、特定の組織を狙ったような攻撃にも使えそうだ。IE8に実装されるのは、Webサーバから返されるレスポンスヘッダによって、こうしたフレームのオーバラップをブラウザ上で禁止しようというもので、X-FRAME-OPTIONS DENYといったヘッダが返された場合、IE8はこうした他のサイトからのフレームを重ねて表示することを拒否するというもの。上のドキュメントでは、Debian上のApacheとIIS6の設定例がかかれているが、私がソースコードから構築したApache 2.2.8では、この設定ではうまく動作せず、以下のような設定となった。おそらく文書上の例はDebianの環境に依存しているようだ。

 

Apache 2.2.xでの設定例(httpd.conf)

 

<IfModule headers_module>

Header append X-FRAME-OPTIONS "DENY"

</IfModule>

 

違いはモジュール名だけなのだが、エラーもでないので、間違った設定を入れて安心してしまう可能性もあるかもしれない。モジュールはたしかにmod_headersなのだが、設定上はその識別子であるheaders_moduleと記述しなければいけないようである。

 

ただし、このヘッダが有効なのは、現在のところIE8のみ。他のブラウザが追従するかどうかや、IE8がどのくらい早く普及するか(Winodows7になってから?)がカギとなりそうだが・・

 

とりあえず、メモとして・・・